ごきげんよう
薬学部6年生のhoriです。

OTC医薬品っていう言葉はドラッグストアでよく耳にするわ。

聞いたことあるけど、あんまり詳しくないから手出したくないな。。。
- どのような薬であるか
- どのように購入すればいいのか
- どのようなOTC医薬品があるのか
今回の記事では、この3つを解説していきたいと思います。
OTCって何の略語?

OTCはOver The Counter(オーバー・ザ・カウンター)の略語で、
「店頭で、店先で、店頭取引の、医師の処方が不要の」と言いかえることが出来ます。
・医師に処方してもらい、薬局へ行って受け取る薬を医療用医薬品
・薬局やドラッグストアなどで自分で選んで買える薬をOTC医薬品
OTC医薬品は以前まで大衆薬や市販薬と呼ばれていましたが、2007年に日本大衆薬工業協会が大衆薬の名称を世界的に広く用いられているOTC医薬品に統一し、合わせて協会名称も日本OTC医薬品協会に変更しました。
医薬品の区分からOTC医薬品の購入方法について知る

医薬品は、一般用医薬品・要指導医薬品・薬局医薬品の3つに区分されます。
一般用医薬品は、第1類医薬品・第2類医薬品・第3類医薬品に区分されます。さらに、第2類医薬品の一部は指定第2類医薬品とされます。
要指導医薬品は、薬剤師の対面による情報の提供および薬学的知見に基づく指導が行われることが必要な医薬品とされます。
薬局医薬品は、要指導医薬品および一般用医薬品以外の医薬品とされています。
上記で説明したうち、一般用医薬品と要指導医薬品をあわせてOTC医薬品と総称されています。
✔ 要指導医薬品または一般用医薬品のうち第1類医薬品を購入したい場合は、薬剤師による対面販売でないと購入することが出来ません。
✔ 一般用医薬品のうち第2類医薬品または指定第2類医薬品、第3類医薬品を購入したい場合は、薬剤師でなくても登録販売者の対面販売で購入することが出来ます。
【応用編】スイッチOTCとは?

みなさんロキソニンという薬を聞いたことがあると思います。
この薬はロキソプロフェンナトリウムというものが主成分であり、現在では医療用医薬品のみではなく、OTC医薬品(第1類医薬品)としても販売されています。
以前までは、医師の処方がないともらえない薬でありましたが、現在ではドラッグストアに行って薬剤師の対面販売であれば個人でも購入できる薬となりました。
このように以前までは医師の処方がないともらえなかった薬(医療用医薬品)が、個人でも購入できるように切り替わった薬(OTC医薬品)をスイッチOTCと言います。
このようなスイッチOTCは基本的に医療用医薬品として使われている薬と用法用量・主成分量・添加物の種類は同じです。
ですので、通常のOTCよりも作用が強いものになります。
なので副作用も同様に見られる可能性がありますので、OTC医薬品を購入して使用する場合は同封されている添付文書をしっかり読んでから使用してください。
✔ 薬剤師や登録販売者に勧められたOTC医薬品を購入して使用しても症状が改善されなかったり、添付文書の副作用欄に記載されているような症状が見られた場合は、服用を中止し、医療機関に受診することを勧めます。
参考に実際の添付文書を貼っておきます↓
医療用医薬品の添付文書(ロキソニン錠)
➡https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00057032.pdf
OTC医薬品の添付文書(ロキソニンS)
➡https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/package_insert/pdf/loxonin-s_1.pdf
【応用編】ダイレクトOTCとは?

スイッチOTCは医療用医薬品として使われていた薬が個人で購入できるようになった薬ですが、ダイレクトOTCは医療用医薬品として使われたことがない薬が個人で購入できる薬です。
医療用医薬品として販売されずに、直接、一般用医薬品として販売されるのは極めて例外なことです。
私が調べた限りでは3つしか見つけることができませんでした。
まとめ

✔ 以前に大衆薬、市販薬と呼ばれていたものをOTC医薬品と呼んでいる。
✔ 医薬品の区分では要指導医薬品と一般用医薬品をあわせてOTC医薬品と定義している。
✔ スイッチOTCは医療用医薬品として使用されている薬が切り替わったものなので、使用実績があり、効果が通常のOTCより少し強いため期待できる。
✔ ダイレクトOTCは医療用医薬品として使用されたことがない薬なので、使用実績はないが、安全性と有効性は承認されている。
繰り返しになりますが、薬局やドラッグストアでOTC医薬品を購入する際は、きちんと薬剤師または登録販売者の指導を聞いて、使用しても症状が改善されなかったり、副作用とみられる症状があらわれた時は、その薬の使用を中止し、近くの医療機関に受診すること勧めます。